小山内校長日記
校長日記695「「いかに生きるか」」
今朝の天籟の鐘では、少しだけ「生きること」についてお話ししました。
『死』――これは誰も望まないことです。しかし、私たちは誰ひとりとして避けることはできません。
その時がいつ訪れるのかも、誰にもわかりません。老いの先かもしれませんし、病の後かもしれません。
あるいは、天災や事故のように突然やってくることもあります。極端に言えば、それは「明日」かもしれません。
私たちはみんな、いつその時が来るかわからないまま、一日一日を生きています。だからこそ大切なのは、今日という一日を、どう生きるかです。死を見つめるからこそ、「いま」を大切にしようと思えるのです。
そして皆さんに知っておいてほしいことがあります。『いかに死ぬか』という問いは、実は『いかに生きるか』という問いと同じだということです。死を遠ざけようとすると、生き方はぼやけます。しかし、死と向き合うと、生き方ははっきりしてきます。だから、死を考えることは決して暗いことではありません。むしろ、自分の命の尊さに気づき、「自分はどう生きたいのか」を考えるための大切な入口なのです。
皆さんの命は、親御さんからいただいた大切な命です。一人ひとりかけがえのない存在です。だからこそ、“私の命を生きる”とは、与えられた一日を丁寧に、誠実に過ごすことだと私は思っています。
