校長日記623「就職前線から」
来年春に就職を希望する高校生の採用試験が、16日から全国一斉に始まりました。今年も人手不足などを背景に、生徒が就職しやすい「売手市場」となっています。厚生労働省によりますと、来年春に就職を希望する全国の高校生は、今年度7月末の時点で12万6474人なのに対し、企業からの求人数は46万6,921人で、求人倍率は3.69倍となっています。
これは去年とほぼ同じ水準で、引き続き、企業からの求人数が就職を希望する高校生の数を大きく上回る「売手市場」となっています。特に製造業の求人数は14万6,000人余りと、全体の3割以上を占めていて、ここ数年は、大企業の求人も増え、中小企業の人材確保は厳しさを増しています。
それに対して、令和5年3月に高校を卒業して就職した人のうち、1年以内に離職した割合は17.4%と、大卒の10.9%と比べて6.5ポイント高くなっています。高校生が企業についての十分な情報を得ないまま就職してミスマッチが起きているという指摘も出ています。
今年5月の国の規制改革推進会議の答申では、「求人票の公開時期を例えば1~2か月前倒しすること」「高卒向けの求人情報をWEB上で広く一般に公開すること」などを検討するよう求めました。売り手市場が続く今こそ、高校生がより多くの企業を知り、自分にあった就職先を十分に検討できる仕組みを、本校でも考えていく必要があります。
昨年オープンしたキャリアセンターでは、低学年次からのキャリア教育と手厚い就職支援体制が特徴です。キャリア教育では、生徒自身が自分の道筋をみつけ、目的意識を持って学校生活を送ることができるための支援を行っています。就職支援では、合同企業説明会や業界研究会はもちろん、専門スタッフ(村本就職支援アドバイザー)による個別就職相談など、きめ細かなサポート体制を整えています。