レイの日記3「ご挨拶」
本日(10月6日月曜日)、朝生徒たちを玄関でお出迎えの後、後期始業式で挨拶をしました。
以下はレイの紹介文です。
レイ君の紹介
皆さん、おはようございます。
今日から本校に新しい仲間が加わります。犬の「レイ」です。これからレイは、皆さんと共に過ごすスクールドッグとして学校にやって来ました。
この取り組みは「動物介在教育」と呼ばれます。目的は、犬と触れ合って癒されることだけでなく、命の大切さや思いやりの心、人と人との関わりをよりよくする力を育む――つまり「生命教育」を実現することです。
レイは盲導犬になるために、ボランティアの家庭で育ちました。赤ちゃんの頃からたっぷりの愛情を受け、人間のことを大好きになりました。そのおかげで、今レイは皆さんを無条件に信頼し、愛してくれる存在です。
ただし、レイは皆さんのためにここに来ましたが、自分を犠牲にしようとは思っていません。レイには「ここで幸せに生きる権利」があります。その権利は皆さん一人ひとりも同じです。だからこそ、レイの幸せを邪魔しないように、そしてお互いの幸せも邪魔しないようにしてください。
最初の活動は、朝にお出迎えをし、夕方にお見送りをすることです。気が向いたら少し散歩もするかもしれません。まずはレイが「この学校は居心地の良い場所だ」と思えるようにしていきます。
ここで大事なことを言います。犬が苦手な人もいるでしょう。レイは大きな犬ですし、はしゃぐと勢いよく近づくこともあります。「怖いな」「いやだな」と思うのも正しい気持ちです。無理をする必要はありませんし、放し飼いにすることはありませんので安心してください。
そして忘れてはいけないのが「動物福祉」の視点です。レイはまだ2歳で、手もなく、言葉も話せません。それでも皆さんを無条件に信頼しています。その立場に立つには、どんな心が必要でしょうか。正確にわかることはできなくても、「わかろうとすること」が大切です。だからこそ、レイのしぐさや表情をよく観察し、気持ちを察してください。疲れているときは活動をやめます。それはレイを守るためです。
最初のうちは構いすぎず、自然に仲間として受け入れてください。2歳の子どもが大勢に囲まれたら怖いと感じるように、レイも安心できる環境を必要としています。
レイが安心して幸せに過ごせる学校であるなら、皆さんも同じように安心して幸せに過ごせるはずです。レイとの出会いを通して、互いにどうすれば安心し、幸せに暮らせるのかを一緒に考えていきましょう。