小山内校長日記
校長日記617「平和を考える」
初秋の候という季節のご挨拶にはなりますが、猛暑の日が続いて、まだまだ秋の気配は感じられません。
そして、感染症もまた広がっているという心配もあります。体調を崩さないように健康管理をしっかりしていきたいと思います。
さて、今年の夏は戦後80年を迎えた夏でした。
世界の状況が大変不安定になる中、平和な世界をどのように築いていくかなどを考えていく報道も多くありました。
8月には広島・長崎のニュースもあり、昨年現4年生(中高一貫生)と一緒に長崎の原爆資料館の見学と慰霊碑をめぐり学んできたことを思い出しました。
天気だとか天候だとか、人は見える現象には敏感で、その先を予想して、あるいは恐れて準備をするのに、言葉に示されているだけで科学的に証明されないことや直接見えないものには、心の準備さえしない。むしろ毛嫌う。見えないものを見ることはたしかに難しい。しかし、見ようとしないから、人は「自分自身」が見えるものとなり、畏(おそ)れを忘れる。人は「自分の考えること」や「自分の価値観」を一番にして押し通す。そして、そうした考え方が束となり、集団レベルでの強い力となり、国レベルでの拘束力となると、人の、一人一人の命の重さも見えなくなる。
見えないものを見分ける力を失うと、相手の命も、そして自分の命も、理不尽に、無残に失うことになる。見えないものを信じること、そして同時にそれを畏(おそ)れることが大事なのです。