教育課程センターより
教員研修「野口芳宏先生に学ぶ」

本講演では、戦後から現在に至る日本の初等・中等教育を方向づけてきた主要なキーワード――「主体性」「支援・援助」「個性重視」「多様性」「個別最適化」――を俯瞰し、長年学校現場に立ってきた実践者の視点から、その意義と課題が整理されました。
講演者は、近年の教育課題の原因を個々の教員や家庭に求めるのではなく、政策や用語設計を担う“司令塔”と現場との間に生じているズレに注目すべきだと指摘しました。その上で、子どもの発達段階を踏まえた指導の在り方として、教師が責任をもって授業を主導し、基礎学力と学習規律を丁寧に積み上げていくことの重要性を改めて提起しました。
また、不登校や学校不適応の増加を、子どもたちからの重要なシグナルとして受け止め、教育の方向性や用語の使い方を検証し直す必要性があると述べました。講演の最後には、現行の教育観を一度立ち止まって問い直し、現場から率直な批判や代替案を持ち寄りながら議論を深めていくことが呼びかけられました。
本セッションは、教育をめぐる多様な立場や考え方の違いを前提としつつ、「子どもの健やかな成長とは何か」「学校が果たすべき役割とは何か」を改めて考えるための出発点となる内容でした。
